トーク相手に貴方の話はどの位理解されていると思いますか?
結果があなたの思った通りになっていれば良いのですが、そうでない場合の方が多いのではないでしょうか?
恋人はもとより、仕事相手まで納得させる。
そんなテクニックを知らないでは済まされません。
心を掴む戦術
相手を感化する為の文章や話し方のテクニックとして別の記事「人を感化する6つのテクニック」で以下の6つを紹介しています。
- 好意 (favor&link)
- 返報性 (reciprocation)
- 希少性 (scarcity)
- 権威 (authority)
- 誓約と一貫性(commitment&consistency)
- 社会的証明 (social proof)
これらは相手の受け取り方に関わらず、こちら側から積極的に仕掛ける事で一定の効果のあるテクニックです。
以下で紹介する「心理テクニック」は相手がどう思うか予測して相手に影響を与えるテクニックと言う意味で分けています。
正しく顧客理解が出来ていれば全てを同時に使う事も可能ですが、初心者の方は分けて考えた方が分かり易いかも知れません。
「6つの感化するテクニック」は必ず理解した上で、以下の「心理テクニック」は相手に応じてとザックリ理解しておいて下さい。
どちらも本来の目的は同じです。
相手に応じて使い分ける話術や技術として、多くの占い師も使っているホットリーディングやコールドリーディング或いはプロファイリングというものも有ります。
情報に基づいて相手の心理を分析すると言う意味で同類の技術ですが、心理テクニックは情報収集を各対象ごとにする訳ではありません。
コールドリーディング・ホットリーディングに関しては別の機会に解説させて頂きます。
心理テクニック
- ダブルバインドセオリー
- 相手のベネフィットを示す
- 得たい欲求と避けたい欲求
- 何故という理由を明確にする
- 承認欲求を満たす
- マズローの5段階欲求説
顧客の心理を読む
結局は売りたい人がいて買いたい人がいる、ただそれだけす。
ただ、少しでも多くの人に買いたい人になってもらうには、顧客の心理を理解しながら話を進めるのはとても大事な事です。
平たく言えば顔色を伺いながら話を進めるという事です。
基本的な考え方は顧客ファーストです。
相手の事を考えずに自分勝手な話をしても、誰も聞かないですよね。
これを言ったら相手がどう考えるか、どう感じるかを考えながら話をする。
その気持ちが有るだけでも伝えるパワーは格段にUPします。
ただし、嘘はどんな理由が有っても駄目です。
嘘で人に何かを訴えかけるのは詐欺と同じです。
あなたは詐欺師ではありませんよね。
相手の事を考えながら話を進める訳ですが、それが会話であっても文章であっても、話を聞いてもらったり文章を読んで貰ったりするのに知っておくべき人間の心理が有ります。
殆どの人は言葉として知らなくても体験した事が有る内容だと思います。
貴方はこれからネットビジネスを始めるわけですから、知っているだけでは駄目です。
何時でも技術として活用できるように、ここに掛かれている心理と対処法は頭に叩き込んで下さい。
私も意識して用いて成果の有るものの内、幾つかをご紹介します。
今日学んだらすぐにでも近くの人に、一つでも二つでも良いですから意識して話をしてみて下さい。
嘘のように話がスムーズに進んで、説得できるようになる筈です。
恋愛や普段の生活にも活用できますので、そんな場面をイメージしながら読んで貰えると余計に覚えやすいと思います。
思いを伝える心理テクニック
ダブルバインドセオリー
ダブルバインド(二重拘束)とは、グレゴリー・ベイトソン(米国文化人類学者)氏が(1956年)に提唱した概念です。
私が誕生した年に提唱されています。(生まれ年というだけで個人的に興味のレベルがあがります。)
定義としては2人以上で、親や上司または学校の先生といった権威をもつ者がその支配下の人間に対して矛盾した命令を下したとき、答えのない支配下の人間に強い心理的ストレスを与えるという概念です。
このため否定的ダブルバインドとも呼ばれます。
例えば上司と部下なら…
A.「業務に関する報告は忘れずにするように!」
B.「そんな事、自分で判断しろ。いちいち報告にくるな!」
親子の場合…
A.「なんでそんな事相談もしないで勝手に決めたんだ?」
B.「そんな事いちいち親に相談するな!」
例を見て頂いて分かる通り、陰湿なイジメの様ですよね。
まさに、この命令をされたら誰でもイジメられてると感じる様な相反する命令です。
この矛盾した命令はどちらに従っても叱られる訳で、部下や子供に強い心理的ストレスを与えます。
上司部下の関係の場合はパワハラ、モラハラの原因となります。
貴方が部下の立場なら選択肢として、最悪でも職場をやめれば逃れる事が出来ます。
しかし、子供の場合は逃げ場がないので精神に異常をきたすとまで考えられています。
ベイトソン氏も元々は統合失調症(以前は精神分裂病)の原因の研究として、ダブルバインドセオリーを提唱しました。(未だ因果関係は証明されていないようです。)
部下に対して、子供に対して、生徒に対してこういった矛盾する命令を意識しなくても出している事が有りますので注意しましょう。
それほど強い効果のあるテクニックを良い方向に使ったのが肯定的ダブルバインドです。
これは私も良く使います。
例としてよく使われるのは異性を食事に誘うときに食事に行くか行かないかではなく、和食と洋食どちらが良い?とか寿司と焼き肉どちらが好き?かという質問の仕方にします。
私の場合は無意識に数十年の長きにわたり、この方法で女性にはアプローチしています。
無意識とは言っても絶対に食事に行くと考えると、この方法が体験的に成功率が高いのを感じていたのだと思います。
二者択一で拘束する。
二者を何にするかは事前にリサーチした方が良いと思います。
例えばお肉を食べない女性に肉か寿司と言っても、実質的には二者択一ではなくなってしまいます。
A.かB.かという選択は矛盾ではありませんが、食事に行くか行かないかという選択は意図的に排除しています。
言い方を変えると食事に一緒に行く前提で選択を2つに絞り質問しています。
どちらかを選んだら「それではお寿司を食べに行きましょう。」と誘うと次項で説明する一貫性の心理も働いてOKしてもらえる可能性が格段に上がるというものです。
もし、この質問にどちらも駄目という答えが返ってきたら、貴方は相当敬遠されている可能性が高いです。(笑)
もちろん、何回かチャレンジできるかも知れませんが状況次第です。
くれぐれも、ストーカーと思われない範囲でどうぞ。
ビジネスの場面で例えば貴方が情報商材を作成して販売する際に…
「この商品は〇〇が素晴らしいので購入しませんか?」と勧めても成約率は限りなくゼロです。
「こちらの商品とこちらの商品ではどちらがお好きですか?」
と聞く方がどちらかを選んで購入につながりやすいとされています。
例えばPDF化した商品とDVD化した商品。
食事に誘う場合と同じく購入するかしないかの選択をさせるのではなく、購入するものは何かを2者択一で選んでもらう訳です。
肯定的なダブルバインドは色んな局面で使えますので、自然と使えるように普段から使ってみてください。
相手のベネフィットを示す
人は基本的に自分が興味を持っている事にしか反応しません。
興味がある事とは自分にとって何かベネフィットがある事です。
コピーライティングでもこのベネフィットを伝える事は非常に重要な事項になります。
メリット(merit)やフィーチャー(feature)はその製品の優れている点などになりますが、ベネフィット(benefit)はその商品を購入して使用すると、購入した人にとってどんな未来があるのか、どんな良い事が起こるのかを明らかにする事となります。
何かを購入して貰いたければこの点を明確に示さなければなりません。
対面営業でもコピーライティングでも重要なポイントになります。
商品の高性能さをいくら説明しても、それでどうなるのかがお客様の興味の的ですから聞いてくれません。
ベネフィットを出来るだけ多く説明する。
これが重要です。
ベネフィットを考えるときに便利なフォーミュラがあります。
3×3ヘッドラインルール
世界的に有名なコピーライターの マイケル・フォーティン(Michel Fortin) 氏が考案した3×3ヘッドラインルールは人間の基本的な欲求をまとめたものです。
下の九つの欲求を一つでも多く満足させるベネフィットを示すことが出来れば成約率は格段にあがるはずです。
時間 (time) かけたくない |
努力 (effort) したくない |
お金 (money) 使いたくない |
富・名誉 (greed) 欲しい |
愛・性欲 (lust) 満たしたい |
快適・不快 (comfort) なりたい・避けたい |
希少性 (scarcity) 気になる、飛びつく |
好奇心 (curiosity) 気になる、飛びつく |
論争 (controversy) 気になる、飛びつく |
- 上段が人がもっとも追い求めている3つの「GOAL」(目標)
- 中段が人がもっとも欲しがる3つの「DESIRE」(欲望)
- 下段が人をもっとも行動に駆り立てる3つの「TEASER」(じらし)
上段が理性に近い欲求であるのに対して下段に行くほど本能に近い欲求であるとされています。
ヘッドラインルールですから元々はコピーライティングのキャッチコピーを考える時のために考案されたものですが、ベネフィットを効率よく考えるためには非常に使い勝手の良いフォーミュラだと思います。
ただし、この表を丸暗記して会話をしても、タイムリーに適当な言葉を思い浮かべるのは中々難しい物です。
勿論それが自然にできる方はそれでよいのですが、「私にはチョット難しい」と思われる方は、誰か一人架空の人物を仕立ててその人に何かを販売する事を想定してトレーニングすると効果が上がると思います。
例えば友人田中さんをモデルとして
- 彼は大学を出てからフリーターで生活しており、お金は無いしバイトで忙しく時間もあまりない。おまけに努力が大嫌いな人間。
- そのくせ野心だけは旺盛で名誉欲は人一倍で、勿論女性にもてたいと思っている。お金は無いのに贅沢で快適な暮らしを望んでいる。
- 珍しい話題やスキャンダラスな話題には好奇心が有って、世間を騒がすテレビの討論会とか見ると独りでテレビに向かって意見している。
- そんな田中さんに低周波による筋肉トレーニング機器を購入して貰いたいとすると。
- 今なら5000円引きで10回までの分割も可能(お金を使いたくない)
- 一日10分だけの装着でTVを見ながら寝ているだけでOK(時間を掛けたくない)
- 引締まったボディーは女性の注目の的(ベネフィット)
- インナーマッスルも鍛えられて理想の体型で健康に(ベネフィット)
- 流行りの服もカッコよく着こなせるモテ男に(ベネフィット)
等々、メリットとベネフィットがどんどん浮かんできます。
こんな感じで身近な人間としてイメージし、その人にベネフィットを感じて貰おうとしたら、どの様に話すかを考えれば良い訳です。
ベネフィットがこれらのどれか、あるいは複数の欲求を満たすものであれば、顧客の興味を引くことが出来ます。
得たい欲求と避けたい欲求
何かをしないと何か損をする。
つまり避けたい事を明確にしてあげることで、相手の興味が跳ね上がります。
- 勉強しないと良い学校に行けない。
- 練習しないとサッカーが上手くならない。
- 資産家ブログを立上げないとお金が稼げない。
- この健康器具を使わないと痩せられない。
商品の説明をする際にベネフィットを明確にしてあげる事が大事なのはすでにお話ししましたが、同時にその商品を使わなかったときに生ずる不都合(痛み・ダメージ)を教えてあげる事で痛みを避けたいという心理が働きます。
商品を売ろうとするときにはこのベネフィットとダメージの双方をお客様に伝える事が非常に重要な作業になります。
ベネフィット(benefit)&ダメージ(damage)です。
何故という理由を明確にする
究極の知りたいとなると「なぜ人間は存在しているのか」「なぜ宇宙はできたのか」とかになりますが、日常的な場面も何故と思う事が多々あると思います。
大人になると何故と思っても、すべてをいちいち調べる人は少数だと思います。
今はインターネットが有りますので検索する習慣さえあれば、ある程度の事は調べる事が出来ます。
人の心を掴むには何故を積極的に説明する事で、相手がより素直にこちらの要求を聞いてくれる様になります。
「この商品安くしますので買ってください。」
「なんで?」となりますよね。
「消費期限が近いので大幅値引きします。」と言えば納得して買ってくれる人が増えます。
普段の生活でも”なぜ”を明確にした方が良い場面が沢山ありますので、是非活用してみてください。
承認欲求を満たす
人間には承認欲求というものがあります。
「認めて欲しい」「理解して欲しい」という欲求です。
女性に対して着ているものやバッグなどの持ち物を褒めると殆どの人は喜びます。
これは相手を承認した事になるからです。
これは物に限らず性格や思想でもかまいません。
とにかく本気で褒めると相手は自分が認められたと認識し、気分が良くなるものです。
この時点で貴方の聞いて欲しい話をすれば、相手がこちらを認めてくれているのだからという返報性の原理も働き、貴方の話を真剣に聞いてくれるようになります。
これは気になる異性は勿論、同性であっても絶対効果が有りますので使ってください。
先にお話しした好意と合わせて使えば効果絶大です。
人間の欲求に関しては既にコピーライターの マイケル・フォーティン(Michel Fortin)氏 が考案した3×3ヘッドラインルールをご紹介しました。
マーケティングの話では必ずと言っていいほど人間の欲求に関する話がでてきます。
ここでは承認欲求に関してもう少し理解するために、アメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズロー(Abraham Harold Maslow)氏の自己実現理論(マズローの欲求5段階説)をご紹介しておきます。
人間の欲求を5段階の階層で理論化したもので分かり易いので参考にしてください。
マズローの欲求5段階説
第1段階 生理的欲求
生きていくための本能的な欲求です。「食欲」「性欲」「睡眠欲」「排泄欲」などで、これが満たされないと生命が維持できません。殆どの動物はこのレベルから上に行く事はありませんが、人間だけはこれが満たされると次の段階の欲求が出てきます。
第2段階 安全の欲求
安心、安全な暮らしがしたいという欲求です。「家が欲しい」「安定した収入が欲しい」「保険に入りたい」などで、日本では殆どの人がこのレベルの欲求まではクリアーしています。
第3段階 社会的欲求
家族や友人、社会から受け入れられたいという欲求です。「家族が欲しい」「会社に所属したい」「親友が欲しい」「恋人が欲しい」などで、多くの人がこれを実現したいと望んでいます。この欲求が満たされないと不安を感じ易くなり孤独感からうつ状態になる事もあります。思い当たる節が有る人もいるのではないでしょうか。日本ではこのレベルもクリアーしている人が多いと思います。恋人が出来ない結婚出来ないという人はこの社会的欲求が満たされないという事になります。
第4段階 承認欲求
人から尊敬されたい、認められたいという欲求です。「出世欲」「名誉欲」などですが、これが満たされないと劣等感や無力感が生まれます。セールスの場面でこの欲求にフォーカスするのが大事だというのは、だれでもこの欲求が満たされると、気分が良くなり物事を受け入れやすい状態になるからです。簡単に言うと褒められると気分が良くなるという事です。人はだれでも誰かに存在を認めて欲しい、しかも他人より勝っていると評価されたいと考えるのが自然なようです。
第5段階 自己実現欲求
自分の世界観、人生観、価値観に基づいて「あるべき姿」になりたいという欲求です。
「潜在能力の探求」「自己啓発」「創造的活動」などですが第五段階に来ると第4段階とは違う次元になります。
マズローは最初の4欲求を「欠乏欲求」、最後の1つを「存在欲求」とまとめており、自己実現を達成できた人は数少ないとされています。
欠乏欲求は無い物を欲しがるという意味ですから、殆どの人は欲望を実現するために生きているとも言えます。
時として欲望を「夢」と表現しているかも知れません。
そしてそれが叶ってようやく存在欲求が芽生えて来る訳です。
存在欲求とは自分の価値を認めて貰いたいという感覚ですから、これはもう自分が何のために生まれて来たのか、何故存在するのかを問うのと同レベルで、簡単に答えの出る物ではありません。
達成できた人が数少ないというのも頷けます。
マズローは晩年には「自己超越」という第5段階の上の段階が有ると発表しています。
見返りを求めずにコミュニティーや世界のために何かを達成する事を我を忘れて追い求める状態をさします。
ここまでくると仙人レベルです。(笑)
マズローは世界人口の2%しかいないと発表していますが、とにかく極少数という事です。
しかし、77億人の2%はある意味すごい数字です。
世界には日本の人口と同じ位の人数の仙人がいるのです。
人間て凄いなという気持になりますよね。
欠点を語る
これはテクニックと言えるかどうか分かりませんが、何かを売るときの購入者の心理を考えると、非常に有効な手段ですので記述しておきます。
難しい事は特にありません、欠点とまではいかなくても弱い部分があればそれを積極的に説明するというテクニックです。
普通なら隠しておきたいような内容を積極的に語る事で、相手に「この人は正直な人だな」という心理が当然働きます。
そうすると、価格にしても品質にしても「この人が言うなら大丈夫だろう」となります。
ただし、本当に嘘が無く大丈夫でなければ何の意味もありませんので、その点は忘れずに心して使ってください。
この他にもセールスに活用できる人間の心理は沢山ありますが、先ずはこれらをネットビジネスの実戦で使えるようにしましょう。
どうですか「人を感化する力」と合わせると、これだけでも多いかもしれません。
効果のあるテクニックを多用して成功へ向かって歩んでください。